皇室賛歌

皇室の家紋

皇御国(すめらみくに) 〈小学唱歌集 第二編〉

作詞:加藤司書
作曲:伊沢修二



皇(すめら)御国(みくに)の、武士(ものゝふ)は、

いかなる事をか、つとむべき。

たゞ身にもてる、まごゝろを、

君と親とに、尽すまで。





皇御国の、をのこらは、たわまずをれぬ、こゝろもて、

世のなりはひを、つとめなし、くにと民とを、とますべし。



※ 「すめら」とは「天皇陛下」を指す言葉であった。



明治天皇

栄行く御代 〈小学唱歌集 第二編〉

作詞:未詳
作曲:ポルトガル民謡



さかゆく御代に。うまれしも。おもへば

神の。めぐみなり。いざや児等。神の恵を。

ゆめなわすれそ。ゆめなわすれそ。

ゆめなわすれそ。時の間も。いざやこら。

神の恵を。ゆめなわすれそ。ゆめなわすれそ。

ゆめなわすれそ。ときのまも。





恵も深き。かみがきの。みまへの

さかき。とりもちて。ちはやぶる。

神の御前に。うたひまはまし。うたひまはまし。

うたひまはまし。夜もすがら。ちはやぶる。

神の御前に。うたひまはまし。うたひまはまし。

うたひまはまし。よもすがら。




大正天皇

皇国の栄

皇統は連綿として五十鈴川の流れと共に尽きない栄える御代を讃えた歌である

作詞:未詳
作曲:四世山木千賀(山田流箏曲家)

天地(あめつち〉のあらむかぎり、月日のてらさむかぎり、

敷島の倭(やまと)の国はうごきなく、

ただ一すぢに神代より、すみわたりつつ五十鈴川、

流れたえせずかしこしと、人々たたへ尊しと


人びとあふぎ日の本の、みいつはげにも有難き


君は千代ませ八千代ませ、やちよの後もかぎりなく、

栄ゆく御代こそ久しけれ、栄ゆく御代こそひさしけれ。



※ 天地のある限り、月日の照らす限り、日本の国は動きなく、ただ皇統一系にして神代からすみわたりつつ、五十鈴川の流れは絶えずして、畏れ多いと人々は賞め申し、尊い方と人民は仰ぎ、日本の天皇の御威光は本当に有難いことである。

君は千代も八千代も限りなく栄えていらせられませ。

栄え行く御代は久しいことであり、栄えゆく御代は久しいことである。


天津日嗣(あまつひつぎ)

作詞・作曲:不詳



葦原の ちいほあき 瑞穂

のくには 日の御子の

きみとますべき ところぞと

神のみよゝり さだまれり





暑さ寒さも 程を得て

山はけだかく 水きよく

國てふ國は 多くあれど

ことにすぐれて たのしきは

皇御(すめらみ)國ぞ わが國は





あふげもろ人 わが國を

したへもろびと 我國を

國てふ國は 多くあれど

ことにすぐれて めでたきは

すめらみ國ぞ わが國は



※ 天津日嗣は天照大神の子孫のことで、皇統や天皇を表す。

天津日神(天照大神)の勅命により天皇の位を継承すること。


勅語奉答 1

作詞:勝安芳(勝海)
作曲:四世山木千賀(山田流箏曲家)

あやに畏(かしこ)き 天皇(すめらぎ)の

あやに尊き 天皇の

あやに尊く 畏くも

下し賜へり 大勅語(おほみこと)

是ぞめでたき 日の本の

国の教(をしへ)の 基(もとゐ)なる

是ぞめでたき 日の本の

人の教の 鑑(かがみ)なる

あやに畏き 天皇の

勅語(みこと)のままに 勤(いそし)みて

あやに尊き 天皇の

大御心(おほみこころ)に 答へまつらむ



教育勅語を称える歌。
「あやに」は「言いようもない」、「きわめて」の意味。




勅語奉答 2

作詞:中村秋香(宮内省御歌所寄人)
作曲:小山作之助(教育者・作曲家・日本教育音楽協会初代会長)

あな たふとしな 大勅語(おほみこと)。


みことの趣旨(むね)を 心に刻(ゑ)りて


露もそむかじ 朝夕に


あな たふとしな 大勅語。


元始(がんし)祭

作詞:鈴木重嶺(明治初期歌壇の名家)
芝 葛鎮(フジツネ)(宮内省式部職楽部楽長)

天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)の 際限(きはみ)なく。

天津璽(しるし)の 動きなく。

年のはじめに 皇神(すめがみ)を。

祭りますこそ かしこけれ。

四方(よも)の民くさ うち靡(なび)き。

長閑(のど)けき空を うち仰ぎ。

豊栄(とよさか)のぼる 日の御旗(みはた)。

たてて祝(い)ははぬ 家ぞなき。



※ 年の始めに、元である天神地祇および歴代の皇霊を祭る。

「天津日嗣」で天津は天界のという意味で,合わせて天照大神の系統を受け継ぐの意味。

「天津璽」は天皇継承の印である八咫鏡・草薙剣・八坂瓊 勾玉の三種の神器を表わす。

「豊栄のぼる」は、朝日が美しく輝いて昇るさまを表わす。

「あやに」は「言いようもない」、「きわめて」の意味。


神嘗祭(かんなめさい)

作詞:木村正辞(帝国大学文科大学教授・国文学者)
作曲:辻 高節(宮内省式部職楽部雅楽教授)

五十鈴(いすず)の宮の 大前(おほまへ)に

今年の秋の 懸税(かけぢから)。

御酒(みき)御帛(みてぐら)を たてまつり。

祝ふあしたの 朝日かげ。

靡(なび)く御旗(みはた)も かがやきて。

賑(にぎは)ふ御代こそ めでたけれ。



※ 天皇がその年の新穀を伊勢神宮に奉納する。

「懸税」とは神前に供える稲穂、「御帛」はいろいろ神に供えるもののこと。




天長節

作詞:黒川真頼(幕末・明治時代の国学者)
作曲:奥好義(よしいさ)(明治大正昭和時代の雅楽師・作曲家)

今日の吉(よ)き日は 大君(おほきみ)の。

うまれたひし 吉(よ)き日なり。

今日の吉き日は みひかりの。

さし出(で)たまひし 吉き日なり。

ひかり遍(あまね)き 君が代を。

いはへ諸人(もろびと) もろともに。

めぐみ遍(あまね)き 君が代を。

いはへ諸人(もろびと) もろともに。



※ 天皇の誕生を祝う曲。

明治天皇は11月3日、大正天皇は8月31日、昭和天皇は4月29日。

1913(大正2)年より国民の祝う日は10月31日となった。




新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)

作詞:小中村清矩(国学者・日本史学者)
作曲:辻 高節

民やすかれと 二月(きさらぎ)の。

祈年祭(としごひまつり) 験(しるし)あり。

千町(ちまち)の小田(おた)に うち靡く。

垂穂(たりほ)の稲の 美(うまし)稲。

御饌(みけ)に作りて たてまつる。

新嘗祭(にひなめまつり) 尊しや。



※ 天皇がその年の収穫に感謝し、神嘉殿で新穀を神と共に食べる宮中祭祀。