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沈才沈勇

 同志であり友人である島田大兄から大変貴重な扇子一面を頂戴し、あまりの感激で同志諸兄にも、この感激をお伝えしたく一筆したためし候。

沈才沈勇

小生が日本の思想家の中で、もっとも敬愛する一人が葦津珍彦翁である。

葦津翁は筑前福岡の人である。 葦津家は代々筑前筥崎宮の社家のひとつであった。

この珍しい名珍彦(うずひこ)の由来は、 記紀(日本書紀)に登場する国つ神である椎根津彦(しいねつひこ)の別名である。

葦津珍彦翁

葦津珍彦翁は『大アジア主義と頭山満』のなかで、血気盛んな若者に説いた言葉として「才は沈才たるべし。勇は沈勇たるべし。孝は至孝たるべし」を紹介している。

沈 才 沈 勇

「平生においては無私の観念に心気を鍛錬し、事に当たっては、沈断不退の行いをなすを要す」 我々在野の浪人が心がけるべきは、頭山翁の「沈断不退」の行いなのである!

 

 頭山翁は「何事も気を負うて、憤りを発し、出たところ勝負に無念晴らしをするは、そのことがたとえ忠孝の善事であっても、不善事に勝る悪結果となるものである。(血気を逸って事を誤らぬ事を注意し)…
古歌に『斯くまでにゆかしく咲きし山桜 おしや盛りを散らす春雨』という事もありますが、僕は有為の知人朋友のために常に心でこの感じを持って忘れることが出来ません」
と語ったといわれている。テロルに駆り立てられた門人同志、テロルの犠牲となった政財官の有意の士の時代である事を考えると、頭山翁の言葉は非常に重く、そして深い。



平成二十八年神楽月 鈴木誠厳




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