木花開姫尊を祀る都萬神社

宮崎県西都市には、コナハナサクヤヒメをお祀りする都萬(つま)神社があります。
そして都萬神社の周辺には、ニニギノミコトとコナハナサクヤヒメの出会いと結婚生活の伝承の場所が現存するのです。

宮崎県西都市 都萬神社の鳥居と拝殿
宮崎県西都市 都萬神社の鳥居と拝殿

古事記によると、高天ヶ原から降臨されたニニギノミコトは、下界のオオヤマツミノカミの娘であるコナハナサクヤヒメと笠沙の岬で出会ったと書かれています。

だが西都市の現地には、二人が逢初(あいそめ)川のほとりで出会ったとの伝承があります。

宮崎県西都市 都萬神社 の逢初皮の 泉です そこから 水がこんこんと 湧き出て 川になっている
宮崎県西都市 都萬神社 の逢初皮の 泉です そこから 水がこんこんと 湧き出て 川になっている

逢初川は今でも、こんこんとした泉から清水が湧き出ている小川ですが、こっちの話の方がロマンチックでいいですね。

そのすぐ近くには、二人が新婚生活をいとなんだ「八尋殿(やひろでん)」という住居の遺跡も現存します。今は垣根で囲われていますが、昔は土塁で囲われていたとか。

いずれにせよ地元の人々はこの場所を神聖視しており、清掃する時は斎戒沐浴して清掃すると言います。それだけに今でも神様と崇められている二人の住まいは地元の人々によって大事に守られて来たわけです。

この二人には、面白い話があります。

二人が新婚生活をいとなんで間もなくニニギノミコトは近隣を平定するため出掛けるのですが、数ヶ月後に帰宅するとコナハナサクヤヒメは、妊娠していました。

たった一夜のちぎりを結んだだけなのにヒメが妊娠したことにニニギノミコトは疑いの目を向けます。「一夜のちぎりで妊娠したと言うのか、それはきっと私の子ではない。きっと国つ神の子であるに違いない」と言います。

すると、コノハナサクヤヒメは怒ってこう言います。「私が生む子が国つ神の子であるならば、きっと無事に出産しないでしょう。しかし、もし天つ神の子であるならば、無事に出産するでしょう」と言って出入り口の無い産屋「無戸室(とのない)」を作って中に入り、出産が近づくと内部から火を放ったのです。

宮崎県西都市 都萬神社 「無戸室」部屋 の石碑
宮崎県西都市 都萬神社 「無戸室」部屋 の石碑

それにしても気性の激しい女性ですね。古代から「女性を疑うと怖いぞ」との教訓なのでしょうか?

いずれにせよヒメは火の中で三人の子を無事に産みます。その子は、ホデリノミコト(海幸彦)、ホオリノミコト(山幸彦)、ホスセリノミコトの三人の皇子です。

先の二人は、古事記に出てくる「海幸彦と山幸彦の話」の主人公として有名ですが、三人目の皇子のことはその後古事記に出て来ないので、私も都萬神社を訪問するまでは知りませんでした。

でもヒメは三つ子を産んだことで、お乳が足りなくなるのです。

そこでヒメは米で作った甘酒を代わりに飲ませたということが都萬神社には伝承として残っています。

そのことから、同神社は「日本酒発祥の地」となっているのです。                   

 

北面武士 

宮崎県西都市 都萬神社 の 日本酒発祥の地 写真
宮崎県西都市 都萬神社 の 日本酒発祥の地 写真

※都萬神社
【御祭神】木花開耶姫命
【所在地】宮崎県西都市大字妻1
【問合せ】0983-43-1238
【H P】www.saito-kanko.jp/sightseeing/tsuma-jinjya