イランとサウジアラビアの関係が急速悪化

先日、イランが国内全域で反米デモを実施したことに触れたが、最近はイラン(シーア派)と親米のサウジアラビア(スンニ派の盟主)との関係が急速に悪化している。中東で影響力を広げているイランに対し、サウジアラビアが巻き返しを図っているようだ。新たな紛争が起きるのではと心配されている

 

もともとイランはイスラム教シーア派の大国である。だから信仰面でもイスラム教スンニ派の大国サウジアラビアとは対立関係にある。先日、レバノンのハリリ首相がサウジアラビアで突然の辞意を表明した。一応は、<レバノンのシーア派民兵組織ヒズボラが、中東地域に兵器を送っており、自らが暗殺される可能性がある>というのがその理由だが、別の原因もあるようだ。観測筋によると、<イランの影響下にあるヒズボラの勢力拡大を封じる手段を取らなかったことに業を煮やし自国に呼びつけて辞任を迫った>というのだ。
このことを裏づけるかのように、米国のティラーソン国務長官も、レバノンの国家主権を侵害しないようにサウジ側に求めている。
またハリリ氏の辞任の当日には、イエメンのシーア派武装勢力の「フーシ派」が、サウジの首都リヤドにミサイルを打ち込んでいる。サウジは、この背後にイランがいるとして「戦争行為だ」と非難。「敵対行為に応酬する権利がある」と強調している。こうした事態にイランの宿敵イスラエルも懸念を強めている。2006年にはイスラエルとヒズボラとの間には、大規模な戦闘が起きているが、関係国間でその再来が懸念されているのだ。
北面武士