日本の安全保障と安保法制を考える

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日本の安全保障と安保法制を考える

「安保法成立を評価する・しない」という質問と「集団的自衛権の行使」に関する質問に半数以上の人々が反対という結果が新聞やメディア各社の世論調査で出ているが、果たしてどれだけの一般大衆が国際関係における安全保障を真に理解をしているのであろうか?

着上陸訓練

協同転地演習・着上陸訓練

 

遊泳・上級上陸訓練

遊泳・上級上陸訓練

 


 

そもそも集団的自衛権とはなんであるか?

個人にとっての「正当防衛」を国に例えれば「自衛権」となる。

個別的自衛権とは、個人に例えれば自分だけを暴力から守れる権利である。
出先の家族や友人知人を守ることは許されない。

ヘリコプター護衛艦ひゅうが

ヘリコプター護衛艦ひゅうが

 

 

 


 

二種類の正当防衛

正当防衛にも二種類の防衛があり、自分を守る防衛権と友人や弱者を守る自衛権がある。 例えるならば、強国が弱国を攻めれば大抵の場合強国が勝利する。 個別的自衛権だけなら世界は「弱肉強食」となってしまう。 集団的自衛権とは、自国と密接な関係国が攻撃を受けた場合、自国と同等の攻撃とみなし友好国を守ることである。 つまり「集団的自衛権はいらない」と主張することは、日本はよその国を絶対に助けないと言っているのに等しいのである。 こんな主張をしている国家は世界で唯一我が国だけである。 国連は、すべての国連加盟国に対して「個別的自衛権」と「集団的自衛権」という2つの自衛権を認めている事実を日本国民は認識していない。 日本ではこれまで「憲法9条」により「集団的自衛権」の行使は出来ないという解釈であった。 2014年7月安倍内閣は、「集団的自衛権は行使できる」という解釈に変更した閣議決定を行ったのである。

イージス艦こんごう

迎撃実験でRIM-161スタンダード・ミサイル3
を発射するイージス艦こんごう

 

 


 

安倍首相の真意とアジアの海洋情勢

今日の世界情勢を見ても現実には、集団的自衛権や集団安全保障が行使されるとは限らないのである。 自国の国益や軍隊(国民)を犠牲にしてまで助けてくれる良い国は少ない。 そこでもっと強い約束が必要となり、同盟を結び強い絆の関係を結ぶのである。 2012年の尖閣諸島国有化以降、激しい赤色中国の脅威と挑発が続いている危機的状況下で、安倍首相としては民主党政権より傷つけられた日米関係の修復こそが最重要課題の一つであったのである。 2013年9月オバマ大統領は、「米国は世界の警察ではない」と発言し全世界に衝撃が走った。 そんな時期、日本の安全保障に不可欠の親密なる日米関係の修復に追い風が吹いた。 同年11月フィリピンを襲った巨大台風に米軍に遅れる事数日で共同援助活動を行ったのである。 世界のリーダーを自負する米国は、世界で起きた災害時に最優先で復旧救助を行ってきた。 それに対し他の国の対応は、一歩遅れ米国の様子を見ながら追随してきたのが実情である。 フィリピン救助の自衛隊の俊敏なる行動は、米国に「日米同盟はアジアの公共財」であると再認識させたのであった。

航行中の海上自衛隊のLCAC

航行中の海上自衛隊のLCAC

 

エアクッション艇1号型

エアクッション艇1号型

 

 

 


 

日米同盟の目的

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の目的は、東及び南シナ海域に米国の軍事プレゼンス(存在感)を維持することにある。 日米ガイドラインは1978年にソ連艦隊の太平洋進出を阻止するものであった。 1997年の改定目的は朝鮮半島の有事に備えたものであったが、直後から対テロ戦に移っていった。 米国の真意は「アジア太平洋地域の安定であって、日本は点の価値であり二の次・三の次でしかなかった。 新日米ガイドラインでは、初めてグローバルな日米協力を打ち出した。 米国の期待は南シナ海とサイバー空間及び宇宙を含む世界の安定にある。 2014年5月赤色中国が南シナ海(パラセル諸島)で石油の試掘を開始した事と、 周辺国の意思を無視し満潮時には水没してしまう南シナ海の岩礁を埋め立て人工島の建造し周辺12カイリ内を自らの領海と主張する横暴で明確なる国連海洋法条約に米国の対中脅威認識の本気度が増したのである。 東シナ海においては赤色中国に対してかろうじて日本が力で均衡状態を保っているが、南シナ海は力で僅少できる国家が無く放置すれば赤色中国の海となるのである。 米国は対話によって赤色中国を説得する事は今や不可能であると判断した。 放置すれば南シナ海は、赤色中国の海となってしまう。 米軍が展開を開始した「航行の自由作戦」により牽制を開始したのである。 赤色中国の無謀なる野望に歯止めをかけ主張を認めないという姿勢をはっきりと示している現状である。 米日・米比・米豪の同盟関係を扇型に広げていきたいのである。

 

 


 

集団的自衛権の行使とは血を流す覚悟が必要である!

集団的自衛権の行使事例

1956年
ハンガリー動乱
ハンガリー政府の要請に基くソ連軍による民衆鎮圧。
1958年
レバノン侵攻

イラク革命の余波を恐れ米国がレバノンに派兵。

1958年
ヨルダン侵攻
アラブ連合共和国(UAR)による脅威からヨルダン王室が英国に派兵依頼。
1964年
ベトナム戦争
国連憲章及び東南アジア集団防衛条約基づき北爆と地上部隊派遣。
1968年
チェコスロバキア動乱
プラハの春と呼ばれた改革運動に対して行われたワルシャワ条約機構軍による民衆鎮圧。
1979年
アフガニスタン侵攻
軍事クーデターにより誕生した親ソ政権の革命路線に反発するイスラム勢力対するソ連の軍事介入。
1981年
ニカラグア侵攻
親社会主義的革命政権ニカラグアによるエルサルバドル・ホンジュラス・コスタリカへの武力攻撃を理由とした米国の軍事介入。
1983年
グレナダ侵攻
共産主義軍事革命政権樹立に対しての米国・東カリブ諸国機構(OECS)による軍事行動。
1990年
湾岸戦争
イラクのクウェートに侵攻対し、国際連合が多国籍軍を派兵。
1998年
第二次コンゴ戦争
ツチとフツの民族対立を起因とした内乱状態時におけるルワンダ&ウガンダによる侵略行為に対し、SADC(南部アフリカ開発共同体)のアンゴラ・ナミビア・ジンバブエが軍隊を派遣。
2001年
アフガニスタン紛争
9・11テロを受けて、安保理決議により米軍&NATO軍によるタリバン政権への軍事行動。

 

平成二十八年弥生 鈴木 誠厳

 

 

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